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『伊達学酔狂道』 其の捨弐話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

友人の画家、高橋元太君の個展に行って、本人によるライブペイント(演奏にっSUN)を観覧してきたのであった。

寺子
「ぐ・・にっSUNは相変わることないイカすミュージックを奏でている・・。元ちゃんの公開作成もおもしろいアイデアだった。みんなは頑張っているなぁ・・」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の捨弐話

『性相近し、習い相遠し』


『感覚』というものがある。

古くは古代ギリシアの哲学者アリストテレスが視覚や聴覚など5種に分類し、それが俗に言う『五感』というやつである。

今我々人類が見える青い空、聞こえてくる風の音というのは、それそのものが元々青く、また寂しげな吐息のような音色で存在しているのではなく、我々人類の感覚がそれらを誠勝手に青にしたり、哀愁あるハーモニーに仕立て上げたりとしているわけで、例えば犬の見える世界が白黒だとか、人間に聴こえないヘルツの音を出す犬笛が聴こえたりとするのは外部の刺激を受信する各感覚の作りが違うからで、犬には犬の世界がある。

原理的に詳しく記していくとあっという間に日が暮れるほどの長文になりかねないので、感覚については専門の書籍を一読してもらうことをお薦めさせてもらうのだが、かいつまんだ一文で締めくくらせていただくと、

「自分の住む世界を作っているのは自分の感覚である」ということだ。

もちろん極端に感覚の誤差がない固体が何十億も存在しているので、あたかも一つの世界を共有している錯覚に陥るのだが、たまたま同じように見え、聴こえているのだから、感覚を持つ個体の数だけその中に世界が存在するという言い方はいまいちピンとこなくても仕方が無い。

別に「孤立せよ」などと少年マガジンで連載していた福本伸行の『無頼伝 涯』の最終回みたいな大それた事をいうのが今回の記事の主題ではない事を先に断っておきたい。

もっと、あくまでほぼ同じ感覚の器官を搭載した人類というものが差異少なく感じているこの世界に、またこれもその他の何十億と同じような感覚器官を持って存在する寺子という固体の『感覚』についてのお話なのである。

ある飲み屋で寺子がその後輩にえらそうに講釈を垂れていた。


寺子
「お前らみたいな学のねぇ奴らにゃぁ文学なんつってもわかんねえだろうな。村上春樹はちゃんと押さえとくんだな、俺は今ノルウェイの森読んでるぜ。」

後輩
「うわ〜寺子さんめっちゃ本読んでますね!他に村上春樹は何読んだんすか?」

寺子
「・・最近はオアシスにはまってんだよ。」

後輩
「なんすか!それも面白いんですか!」

寺子
「馬鹿野郎!バンドだよバンド、まぁ最近はUKロックばっか聴いてるよ。」

後輩
「UKロックってのいいんすか?他にどんなUKロックのバンドがあるんすか?」

寺子
「あ〜・・今ぱっと出てこないけど、まぁいいんだよ、メロウっつーか?お前もこだわりを持てよ。」


自分の知ってることしか喋らず知らないことは無視をする寺子の戦法は、年上にきちんと敬意を払う純朴な田舎者の後輩に知識人だという印象を与えるには十分だった。
もちろん彼もただの馬鹿ではない、ただ彼の素直な心にたまたまこの寺子の知識と呼ぶにはあまりにも矮小な、少し知恵が発達していれば小学生にでもその矛盾点を射止める事が可能な代物がリンクしてしまったというだけの事である。

店員が調理場で注文伝票の1を4に書き換えてやろうかというほど騒がしく迷惑な寺子たちの席に、一人の男性がこの品の無い耳障りな笑い声の持ち主はきっと私の知る人物に違いないという確信の表情を浮かべ向かってくる。


大先輩
「おう寺子じゃねーか、おまえこんなとこで何してんだ?」

寺子
「あれ!?ちゃちゃちゃーす!大先輩!お久しぶりっす!」

後輩
「もしかして寺子さんがいつも言ってる大先輩さんですか?始めまして!」

大先輩
「おう、よろしく。ちょっと待ち合わせまで時間あるからご一緒させてもらうよ。」

寺子
「ちょりーす!大先輩最近音楽聴いてます?」

大先輩
「まぁぼちぼちかな、TSUTAYAで目に付くやつくらいだよ、ミーハーだしね、ビョークとかレディオヘッドとか。寺子は?」

寺子
「なんかめちゃめちゃマニアックなん聴いてますね!そうなんすか、俺最近オアシスっす。UKロックはまってるんすよ!」

大先輩
「へ〜解散したのに今更オアシスはまってるってのもめずらしいよね。俺も5年くらい前は好きやったかな〜。」

寺子
「・・いや・・まあ・・けっこうよく聴くってくらいですけどね・・解散したんすか?」

大先輩
「後輩君も音楽聴くの?」

後輩
「あ、俺はヘキサゴンファミリー大好きっす!」

寺子
(うわ!俺の連れてる奴なのにめっちゃ恥ずかしいやん!)

大先輩
「へ〜聴いたこと無いけど、好きなんだね。」

後輩
「はい!めっちゃいいんす!大先輩さんも寺子さんみたいに本たくさん読むんすか?」

大先輩
「えー寺子本読んでんの?俺はまぁぼちぼち、ミーハーだしね、太宰治とか三島由紀夫とか目に付くもん読むだけだよ。」

寺子
「うわ、めちゃめちゃマニアックですね!俺まだそこまで行ってないっす。今春樹読んでます。」

大先輩
「へー、『1Q84』読んでんの?春樹のキザな文章はあまり好きくないけど、文庫版出たら一応読んどこうかなくらいだけど。」

寺子
「え・・イチキューとかじゃないんですけどまあ他のです。」

後輩
「寺子さんノルウェイの森っすよね!」

大先輩
「え〜?今更?あ〜映画化するから?最近多いんじゃない?それでノルウェイ読んでるやつ。」

寺子
「いや・・映画化は関係ないんすけど・・」

大先輩
「後輩君は本読むの?」

後輩
「あ、俺本は頭痛くなるから読まないっす。漫画は読みますね。BLEACHめっちゃ好きっす!」

寺子
(うわ!この後に及んで恥ずかしい!俺の連れてる奴やのに!)

寺子
「あ!こいつワンピース読みますよ!大先輩さん読んでましたよね!俺もいまワンピースっすね!」

大先輩
「あ、そうなの?そういやワンピース最近読み忘れてたわ。BLEACH好きなんや〜。愛染今強すぎやんな。」

後輩
「うわ〜!俺コミック派やから週刊誌の方のネタバレ勘弁ですよ〜!ひよ里どうなるんやろ!さすが大先輩さんなんでも押さえてるんすね!」

大先輩
「ひよ里ってどいつだっけ?君詳しいね。俺はまあミーハーだから広く浅くみたいな?後輩君みたいに自分の感覚で好きなものにこだわっているほうがいいって。あ、連れ来たから俺行くわ!じゃな!」

後輩
「お疲れさまっす!寺子さんの言ってた大先輩さん博識でカッコイイですね!」

大先輩
「あ、寺子、お前は流されてばっかだからちゃんと自分の感覚磨くようにしろよ。」

寺子
「え・・別に流されてないっすけど・・はぁ。」


自分の感覚に信頼を置き、自分の世界を形成していくことはアーティストにとって最低限の必須スキルだと思う。

この世は自身の世界とその他の別々の世界が干渉し、影響を与え合い寄り添っているだけの姿なのだ。
普遍的な価値に安堵することは自分の世界の放棄である。

どんな時も、僕が僕らしくあるために、好きなものは好きと言える気持ち、抱きしめていたい。(byマッキー)

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊少年ジャンプ
週刊ヤングマガジン
週刊ビッグコミックスピリッツ
週刊モーニング
週刊チャンピオン
週刊ヤングジャンプ

今週観たDVD☆
『レポマン』 監督・脚本:アレックス・コックス

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※このブログは一部表現が誇張されております。
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『伊達学酔狂道』 其の捨壱話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

寺子の好きな作家『J・D・サリンジャー』さんが亡くなられたのであった。

寺子
「あなたの紡ぎ出すユーモアは秀逸でした。ご冥福を祈ります。」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の捨壱話

『知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず』


「げー!いったい何を考えているのかわからない!こんな事・・正気の沙汰か!?」

カニバリズムが盛んなアステカ帝国の戦士に捉えられ宗教儀式の生け贄として心臓を抉り取られそうになった時も、秘宝を求めて潜入した魔境で出くわした高速道路のような大蛇に頭から丸呑みにされそうになった時も、電車でお腹が痛くなった時も決して希望の光と炎をその胸の中で絶やさなかった豪傑寺子の鉄の心が袋から取り出すのに失敗した0.4mmの極細パスタのように無惨に折れて砕け散った。


寺子
「いつも立ち読みしているコンビニの雑誌類がすべて梱包されるようになってしまっている〜!」


帰路を進む寺子のオペラ座の怪人のそれのように蒼白になってしまった顔面と、強い怨念を残しいつまでも現世を彷徨う鬼火の阿鼻叫喚がごとくすすり泣く声がアットホームな住宅街に只ならぬ悲しみの思惟を放出し、生まれてこの方無い邪悪な気配に番犬達は守るべき家の前を行くゴーストに死ぬほどの怒号を浴びせ続けていた。

寺子
「そもそも漫画が読めなかったらいくら近くてもわざわざコンビニになんか行きやしないよ。他にも行かなくなる人がいるだろうな。そうだ、それに毎度ではないがたまに立ち読みした後にチューハイを買って帰ったりもしていた。それも俺だけじゃなくいっぱいいるはず。つまり立ち読みは客寄せの道具であって、訪れた客が雑誌じゃなくても何か買って行ってくれたらOKじゃないのか?訪れているのだからその確立は高いはず・・だとすればこの雑誌梱包は集客という観点からは痛手になると思うのだが。」


梅干のような脳みそを絞って経営者の意図が納得できたところでそれでも生活スタイルに支障をきたす事態に変わりがない事をしばらく後に寺子は悟り、あきらめてちょっと遠くのローソンに向かうのであった。


寺子
「ありゃ?ここにはスピリッツが無いぞ?今日は売り切れか?今ウシジマ君の中学生時代の回想偏だから見逃したくないんだよな・・」


途方にくれる寺子の前にベレー帽に丸い黒縁めがねをかけた一人の老人が現れた。


老人
「お困りのようじゃのお若いの」

寺子
「はい、とても困ってます、かなり本気で。」

老人
「雑誌を買って読む気にはならないのかね?」

寺子
「とても一週間で6冊も買っていられません」

老人
「じゃあ友達6人で1冊ずつ買って回し読みするんじゃ。」

寺子
「チャンピオン担当になった人が可愛そうです、刃牙と浦安くらいしか読まないし・・」

老人
「じゃあ漫画喫茶で読むんじゃ。」

寺子
「漫画喫茶で雑誌なんて贅沢すぎます。」

老人
「いかんともしがたい男じゃのう。」

寺子
「きっと僕には立ち読みの美学があるんです。立ち読みには1冊の雑誌を隅から隅まで読む余裕が無いので、必然的に面白い漫画だけに的を絞って読破していきます。ここで必要とされるのが読むものを取捨選択する即断力と、新連載漫画に対して現在の立ち読みタイムテーブルに参入してこれるだけの実力があるかを判定するなど、生き残りをかけた厳しい世界なのです。僕はこの世界でやっていきたいんです。」

老人
「あまり良くわからんがそなたの漫画に対する情熱の一貫と受け取っておこう。さらばじゃ。」

寺子
「うわー!まぶしい!き・・消えた?いったい何者だったのだ?」


翌日奇跡的に寺子のいきつけのコンビニの雑誌から梱包が取り外され今までどおりの品揃えで寺子を迎え入れてくれるわけはもちろんなかった。

寺子
「じじいは何だったんだ・・」

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊少年ジャンプ
週刊ヤングマガジン
週刊ビッグコミックスピリッツ
週刊モーニング
週刊チャンピオン
週刊ヤングジャンプ

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『伊達学酔狂道』 其の捨話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

菊池凛子の演技に戸惑う寺子であった。

寺子
「俺にはやる気の無い大根が突っ立っているようにしか見えん。」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の捨話

『其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人いずくんぞ隠さんや、人いずくんぞ隠さんや』


寺子
「う・・動け・・動け・・動けぇ!」

赤木博士
「だめだわテラオくん、シンクロ率が1%を切ってしまってるわ。」

寺子
「そんな・・今動きゃなきゃいつ動くんだ!うごけ〜!」


日本列島が今冬最大の大寒波に覆われ、摂氏0度にまで冷え切った早朝の路地裏を野良犬が凍りついた残飯をそれでも生き抜くために必死で噛み砕き胃に流し込む最中、加湿器によってしっかり湿度の保たれた部屋の中で北欧ブランドのベッドの上で頭まで布団に包まれまだ見ぬベイビーを抱っこでもしている夢を見ているのだろうか、だらしのないニヤケ面でりっぱな鼻風船を作って熟睡している寺子の姿があった。

静寂を切り裂き寺子の一日の開始を告げる時計のベルが断熱材入りの壁に包まれた平和ボケの部屋に鳴り響いた。

「ば・・馬鹿なもう起きる時間だと・・!?」
仕掛けられた時計の怒号が寺子の精神に鑢(やすり)をかけるように襲い来る。
もはや意識的に体を動かすことは出来なくなっていたが、生命の危機に直面した肉体は数百回も繰り返されたこの朝のアクションを自動的に実行し、毛布の中から振り上げられた右腕は枕もとの時計の頭上を正確に射抜いた。


葛城三佐
「第一波撃墜!10分後に第二波来ます!テラオくん早く起きないとまた攻撃を受けてしまうわ!」

寺子
「わかっている!だけど、ぜんぜん動かないんだ!チキショウメ!」

日向二尉
「第二波来ます!うわ〜!」


再び寺子に襲い掛かる時計の爆音、が、またもや本人の意思とは別に空対地ミサイル『AGM-65 マーベリック』のように右腕は時計を撃破した。


葛城三佐
「第二波も撃墜!だけどわかってるのテラオくん?もう限界は近いわよ!」

寺子
「だ・・だめだ!抜け出せない!一昨日あったフットサルの試合での筋肉痛もあって、どでかい油粘土にくるまれているみたいに足が重くて気だるいし、布団は最高に温かくアルプスの少女ハイジに出てくる大量の干草の上にシーツをかけて出来たベッドみたいにフカフカしてて、昨夜は寝るのが遅かったから疲労感の残るまぶたが接着剤で固定されているかのようにまだ全然開かなくてまるでお釈迦様の手の平にくるまれて永遠の安堵を与えられたような気分になっちまってるんだ!」

伊吹二尉
「第三波、最終防衛ラインに到達します!」


最後の強襲がついに寺子の起床時間の臨界点を突破した。
即座に、今度は意識的にともとれるほど暴力的に時計を破壊した寺子であったが、以前身体は布団の中で沈黙を守り続けている。
この状況で人類を守れるのは他ならない寺子なのだが、肝心の寺子は足の小指1本も動かす気にならない。
もはやなす術は残されていないのか?いま世界が終わりを告げようとしていた。


寺子
「もう・・だめだ・・僕は駄目なやつなんだ・・そもそも僕には寒い朝に起きるなんて大それたこと無理だったんだ・・」

葛城三佐
「ち・・あの野郎・・もう駄目ね、日向君悪いけど最後の手段を使うわ。付き合ってね。」

日向二尉
「いいですよ、あなたと一緒なら。」

葛城三佐
「現時刻を持って起床を破棄!病欠と偽って有給休暇を取ります!」

寺子
「ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょちくしょう・・」

−あなたは立派に戦ったわ、こんな週明けの月曜日に1日中寝とくのも悪くないわ−

寺子
「この声は!?・・今日は月曜日だって!?」

伊吹二尉
「寺子のエネルギーゲージが上がって行きます!」

赤木博士
「そんな事あるはず無いわ!」

伊吹二尉
「シンクロ率400%!寺子再起動します!」

寺子
「うおおお!今日はジャンプの発売日だー!ワンピース早く読みたい!!」

日向二尉
「寺子完全に機動!起き上がります!」


ちゃ〜ら〜ららちゃららら〜ら〜お馴染みのあのBGMが鳴り、天井まで布団を蹴り上げ寺子は立ち上がった。

寺子
「ワンピースを読んで会社のパソコンでネットサーフィンしながら今週のワンピースの掲示板を読むのが至高の瞬間だ!そのためなら僕は猟奇的殺人犯が散弾銃の銃口をこちらに向けて立ちふさがっていようと構わずコンビニに飛び込んで行くだろう!!」


かくして辛くも無事出勤に成功した寺子であった。

月曜日にありがとう。
布団にさようなら。

そしてすべてのワンピースファンに「おめでとう」

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊少年ジャンプ
週刊ヤングマガジン
週刊ビッグコミックスピリッツ
週刊モーニング
週刊チャンピオン
週刊ヤングジャンプ

今週観たDVD☆

『図鑑に載ってない虫』 監督・脚本:三木聡
『イレイザーヘッド』 監督・脚本:デヴィット・リンチ

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『伊達学酔狂道』 其のQ話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

20代に終わりを告げた寺子であった。

寺子
「しかし、ババジのクリア・ヨガを習得した俺は永遠に25歳の肉体を手に入れた。」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其のQ話

『三たび思いて後これを行う』


『タイムマシン』『どこでもドア』『石ころぼうし』など夢のような道具はすでに発明されていると思う。
では何故公表されていないのか?

もし私がそれらの発明に成功したのであっても、私が呪われた血筋に生まれたがために幼少の頃から世間に忌み嫌われ全ての人類に復習を誓っているというわけではない限り、確実にその発明のプロセスを全て闇に葬るであろう。

それは優秀なシステムが人類にとって必ずしもプラスになるとは限らないと思うからだ。


寺子
「ついに、できた・・できたぞマーティ!」

マーティ
「あぁ〜ペプシ美味しい!ロック最高!!」

寺子
「マーティ!見てくれ!君のアルバイト先で一つ一つ手作業で打ち込んでたエクセルの作業を簡単に入力できるフォームとデータベースを開発したんだ!」

マーティ
「何だって!?ドク、それじゃあこれからは打ち込みミスも減って、半日もかかってた入力の時間も大幅にカットされるって事かい?」

寺子
「わしをドクと呼ぶのはやめろ!しかしその通りじゃ。もっと有効な時間の使い方が出来るようになるぞ。」

マーティ
「ありがとうドク、早速使ってみるよ!」


翌日


マーティ
「ドク・・とっても素晴らしいシステムだったよ・・」

寺子
「それは良かった。どうしたんだマーティ?その割りには顔が暗いぞ?」

マーティ
「確かに作業効率は飛躍的に上がったよ、しかし・・」

寺子
「しかしどうした?修正ならいくらでもかけるぞ?」

マーティ
「ビフがクビになったんだ・・」

寺子
「ビフが!?なんで?」

マーティ
「エクセルの入力作業はビフの仕事だったんだ、だけど、あのシステムを使えば、他の人間でも自分の仕事の合間を見て入力ができるから、店長がビフはもう要らないって・・店長はドクに感謝していたけど・・俺達とビフは長年一緒にやってきたから・・」

寺子
「わ・・わしはただ作業効率が上がれば良いんじゃないかと思って作っただけで・・」

マーティ
「わかってる、誰もドクを恨んじゃいない、ビフだって、また同じようにシステムによってその居場所を追われた人々だって時代の流れだと仕方ないと思ってるさ。」

寺子
「わしはなんて愚かな事を・・デジタルカメラや家庭用のプリンターの登場によって仕事を無くした写真・印刷業者の人々、音楽もダウンロード販売のせいでCD屋は次々に潰れていってるし、ジーパンが1000円を切る世の中は何かが狂ってしまっていると気がついていたのに・・。一つの事を磨き上げてきた専門家から順番に淘汰され、必要なのは決められた順番にスイッチを押すことが出来る人間達、人が人でなくなる日はそう遠くないのではないだろうか?」

マーティ
「ドク・・餅は餅屋って時代が懐かしいね、今は誰でもワンタッチでそれなりの餅をつくことができる。システムは人間を同じ形にはめ込むおにぎりの製造マシンのようなものだね。」

寺子
「・・マーティ、決めたよ、俺は人類を正しい道に導くシステムを開発するよ!」

マーティ
「システム作んな!馬鹿!!」


次々と便利になっていく世界は堕落を追求した歴史である。
ときにはあえて面倒くさい手順で物事を進めてみるようにしたい。

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊チャンピオン
週刊ヤングジャンプ

今週観たDVD☆

『ホノカアボーイ』 監督:真田敦 脚本:高崎卓馬
『花とアリス』 監督・脚本:岩井俊二
『人のセックスを笑うな』 監督:井口奈己 脚本:本調有香
『フリークス』 監督:トッド・ブラウニング 脚本:ウィリス・ゴールドベック レオン・ゴードン エドガー・アラ・ウールフ アル・ボースバーグ
『ロッキーホラーショー』 監督:ジム・シャーマン 脚本:ジム・シャーマン リチャード・オブライエン
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『伊達学酔狂道』 其の八話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

safarisのkat-changが川沿いの景色の良い所に引越したのであった。

寺子
「エレベーターの無いマンションの5階に大型の冷蔵庫を持って上がるのは至難の業だった・・。」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の八話

『朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり』


映画を観た。

正確に言うと、映画のDVDをレンタルしてきて自宅で観たということだ。

私は漫画は非常に大好きでよく読むのに、あまり映画は進んで観たりはしない性質なのだが、ある日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が運営する有名なビデオ、DVD、CDレンタル&CD、本、ビデオ、DVDセルの全国チェーン店『TSUTAYA』から、私の誕生日の月だという理由だけで全商品レンタル半額のクーポンが送られてきたので、これも何かの縁かと思い、これを機に映画も嗜(たしな)む程度に鑑賞していこうじゃないかと思いたったのであった。

早速自宅最寄り駅に隣接する『TSUTAYA東三国店』に足を運び、以前から気になっていた映画を探したのだが、小さい店舗ということもあって『未来世紀ブラジル』や『ブレードランナー』『エル・トポ』『プラン9・フロム・アウタースペース』などは置いていなかったが、『イレイザーヘッド』と『ロッキーホラーショー』『レポマン』などを店内に設置されている検索機を使って探し当てることができた。
半額に目が眩み同行したミラボ氏も己の趣向に偏ったDVDを好き勝手にカゴに放り込んでいった。

鑑賞はとりあえずミラボ氏のセレクトした映画から行っていった。

『インスタント沼』・・面白い。漫画的なテンポで進み、必要以上に意味を押し付けない、無意味も活かした話もさることながら、『ねじ式』のポーズで現れる同僚や、『笑ゥせぇるすまん』に出てくるスナック『魔の巣』など、漫画読みの私にとっては嬉しいネタが所々にあり、その他にも『犬神家の一族』や『フラケンシュタイン』など目を凝らせば数々のオマージュが散りばめられていた。

『幸福な食卓』・・演出や役者の演技などやや難があるが、まあいいたい事はわかる感じ。

『おと な り』・・めっちゃ良い!恋愛もの映画では過去一番の作品!細部まで気を使った演出、ハラハラさせる構成、役者陣の演技も満足、麻生久美子さん!ラストも良かったけど、エンドロールの会話の部分は削って、視聴者に委ねてくれるってパターンもありかなと思う。いや、でもこれでも文句なし。寝起きの岡田君にもうちょっと無精ひげがあれば完璧な作品となった。確実にお薦め作品。

久々の実写映画にお酒も美味しく、満足な時間が過ぎていった、が、何故だか一枚紛れ込んでいた作品・・その名も


『ただ、君を愛してる』


寺子
「な・・なんだこれは?タイトルの時点ですでに異様な空気を醸(かも)し出している、以前safarisでカバーした焼酎『いいちこ』のコマーシャルソング『また君に恋してる』と語感は似ているのだが、明らかに否なるものであるということは日本語を解さぬイヌイットの老婆でも即座に判る事だろう。」


プレーヤーがDVDを飲み込み、画面に役者達のマヌケ面が晒し出される。
そして開始から1分で、これが私にとって受け入れがたい作品であることを認知した。


寺子
「ああ・・神よ・・大根を並べてオウムに台詞を憶えさせた方がマシではないかというほど演技が下手くそな役者陣、さえないはずの主人公がこんなに男前じゃぁ誰も感情移入できん、さえないはずのヒロインなのだが、自分が可愛いと思い込んでるのか、それとも演出でそうなってるのか、仕草や表情が全部かわいこぶりっこ丸出しの酷演技、何があっても全然かわいそうに思えない。最終的にメインキャラが死んだら大衆は泣くぜと思い込んでるような頭の悪さを自慢したいだけの脚本、無理矢理泣かしにかかろうとする見え透いた手腕に憤怒すら覚える始末だ。」


絶望し、床に伏せる寺子、その時空から数本の光の筋が降り、目の前に人の形をした光の塊が現れた。


寺子
「あ・・あなたは神ですか!?」


「リリン達(人類)はわたしをそう呼ぶ。」

寺子
「なんということだ!私の願いが聞き入れられたのだ!神よ!崇高なる人類の精神を腐敗、堕落させるこの唾棄すべき洗脳物質をこの世から消し去ってください!そして私を新世界の神に!!」


「わかった、そんなに願うなら消してやろう、だが貴様をだ、寺子。」

寺子
「!?」


「大多数の人間はこの作品を愛し、涙し、満足を得た。また興行成績によって家族を養っている映画業界の関係者達がたくさんいるのだ。貴様一人の意見が無くなれば皆がこの作品を好きでいられる、違うか?なにより俺は宮崎あおいちゃんの大ファンだ馬鹿野郎!」

寺子
「・・ちく・・しょう・・」


「吼えるだけならば犬でも出来る、愚劣な発言は勝手だが己の品位を落とさぬよう気をつけることだな、さらば。」

寺子
「俺は少数派なのか?それとも普遍的な価値が理解できていないのか?この世では真実を掴む一人の人間がいたとしても、残りの60億人が異なった事実を認識していれば真実は黙殺されてしまうという事なのか?人類の味方をするのであれば俺は神にすら祈れなくなった・・お星様、本当に素晴らしい物ってなんなのでしょう?」


星からはもちろん回答はなかった。
正確に言えば、1000光年も離れた星に質問しても、返事が返ってくるのは最速でも2000年後だという事だ。

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊少年ジャンプ
週刊ヤングマガジン
週刊ビッグコミックスピリッツ
週刊モーニング
週刊チャンピオン
週刊ヤングジャンプ

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※このブログは一部表現が誇張されております。
コンセプトはこちら
『伊達学酔狂道』 其の七話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

気がつけば年が明けていた寺子であった。

寺子
「昨年観たテレビ番組は毎週日曜の『ワンピース』と金曜ロードショーの『天空の城ラピュタ』だけだぜ!」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の七話

『利に放りて行えば、怨み多し』


編集者
「寺子くん、今週の原稿まだもらってないんだけど、出来てるの?」

寺子
「え!?正月も連載あるんすか?ジャンプとかは合併号で休みですよ?」

編集者
「だって別に先週が六・七話合併号だったわけじゃないじゃん。いいわけは通じないからね。」

寺子
「・・・すんません、確認もせず正月は休みと勝手に思い込んでました。僕が全面的に悪いです。(むかつくけどいいわけせずに素直に謝ったほうが株が上がるやろう)」

編集者
「グズが、とりあえずこんなクソ連載なんて誰も読んでねーけど、バンドマンとしての義務くらい果たせよ、ダボ助が。文法もちゃんと勉強しやがれ、田吾作が。」

寺子
「・・・申し訳ございません。(絶対こいつ殺す!)」

編集者
「とりあえずなんか載せないといかんねんけど、よくある作者インタビューとかで誌面はごまかすから、今後の展開とか軽く喋ってよ。」

寺子
「展開っすか〜・・そうっすね〜なんか、新しい能力を身につけたり・・」

編集者
「つーかバンドの事とかは?お前これ一応バンドのブログやからな。」

寺子
「バンドは・・あ〜・・なんか今年上半期は製作期間?みたいな感じです。いっぱい曲作ってそれで音源作ったりとか・・それ出来たら秋からライブ活動とかすかね?」

編集者
「おお、まぁ一応考えはあるゆうこっちゃな。」

寺子
「へぇ、一応通年のプランとなってますさかい、ごひいきによろしゅうお願いいたします。」

編集者
「にっSUNが脱退したけど、音楽性は今までと変わるの?」

寺子
「そっすね〜個人的には歌ものがしたいと思ってますが、メンバーそれぞれの意見も取り入れつつで、まぁ楽しみに待っていてください。」

編集者
「なるほど!今年はsafaris、要チェックやな!!」

寺子
「・・何すか?それ。」

編集者
「最後にですが、『伊達学酔狂道』に寄せられるお便りに共通の質問が多かったので、この場を借りて伺います。連載がまったくバンドや音楽と絡んでないみたいですが、もうちょっとバンドのアピールになるような記事を書いていこうとは思わないのですか?」

寺子
「思いません。僕はそういったショービズの精神に反発する為にあえてこういった形式で執筆しています。いもしないファンの為にわかりやすい記事を書く事とかはありえません。セックスピストルズの精神です!」

編集者
「ピストルズはショービズだよ、にわか知識で語るC級タレントのコメントかよ。とりあえず非常に安いプライドを持ち合わせのようで。今年も口先だけの駄文連載を頑張っていってください。」

寺子
「ありがとうございます。今年は武術大会編や恋愛の要素を含めたりで、読者をぐいぐい惹きつけていきたいと思います!」


かくして今年も始まった『伊達学酔狂道』
皆様が定期購読してくれるように頑張ることを決意する寺子であった。

続く・・

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今週読んだ漫画☆

柴田ヨクサル 『エアマスター』 8〜13巻
松本大洋 『鉄コン筋クリート』 1〜3巻(実家にて)
山口貴由 『シグルイ』 秘剣の章 (コンビニコミック)

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※このブログは一部表現が誇張されております。
コンセプトはこちら
『伊達学酔狂道』 其の六話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

怒涛の忘年会ラッシュに肝臓を酷使する寺子であった。

寺子
「『ウコンの力SUPER』には感謝の言葉しか思いつかない・・。」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の六話

『過ちを改めざるこれを過ちという』


寺子
「ま、またなのか・・いったい、これは・・まさか新手のスタンド使いの攻撃!?」


実に奇妙な現象だった。
最初にその出来事に遭遇したのはある忘年会の二次会の帰り道、寺子は御堂筋線を『天王寺』から『千里中央方面』に向かい、半ば夢見心地になりながら座席に全身を預け、自宅最寄り駅への到着を今かと待ち焦がれていた。
「まだ梅田か。」ふと次の駅で車外の風景に眼をやると、「淀屋橋!?」従来なら『中津』、電車の進行方向が逆転していることに気がついたのだった。

あいにくこの日は少々の酒が入っており、酔ったオツムでは深く考える事もできなかったので、特に原因を追究もせず次の駅『本町』で降りて、再び千里中央方面の最終列車に乗り、ひとまずは無事に家へ辿り着いたのであった。

ところが翌日の忘年会の帰り、またもや同じ現象が発生したのであった。
今度は谷町線。あと1〜2駅で『梅田』へ到着しようとしていた列車が、気が着けば『天王寺』付近まで引き返しているではないか。腕時計に目をやると、時が3〜40分は消し飛ばされている。
これにはさすがに肝を冷やした寺子であったが、すでに半分閉じかけている扉を蹴破り天王寺下車、そのまま『片山右京』の動体視力でも見切れぬほどのスピードですでに梅田方面に走り出しているJR列車に並走、駅ホームの端から跳躍し、左半身を車体に激しく撃ちつけつつも、なんとかしがみ付く事に成功した。
0.1秒の判断ミスが生死を左右する状況であったが、この日も何とか無事家に帰る事ができたのであった。

翌々日、この日も忘年会。
「二度も続けて起こったのだ、今日も油断ならん。」電車に巣食う妖怪の仕業か、はたまたプラズマ現象か、その恐怖の正体を瞼を閉じずに見極めてやろうと息巻く寺子であった。
宴もたけなわ、熱燗に身を任せた千鳥足で『御堂筋線天王寺駅』から乗車する寺子。


寺子
「来るなら来てみろ!一連の超常現象を起こす化け物の正体を暴いてくれるわ!」


まずは大きく深呼吸し、目薬も注してかっと眼を開く。
次に最寄り駅までの乗車時間を逆算し、携帯電話の目覚ましをセットする。


寺子
「完璧だ!さぁ、奴(やっこ)さんどう出る?」


みるみるうちに、難波、心斎橋、本町、列車は順序を間違うことなく、夜の大阪を縦に切り裂くように北上していった。


寺子
「西中島南方、新大阪、ふはは!次は俺の最寄り駅だ!この勝負俺の勝ちのようだな!」


一瞬の油断、文字通り寺子の寝首を魔物は見逃さなかった。


寺子
「は!ここは・・ば・・馬鹿な!?今『淀屋橋』だと・・まさか次は・・」


最終電車に飛び乗ろうとする人々の群れ、ここはまごうことなき大阪中央区のビジネスタウン『本町』。


寺子
「お・・俺の完敗だ・・次からは『ウコンの力SUPER』に加えて、『眠々打破』も摂取しよう・・」


足元には持ち主の手から離れた携帯電話が、孤独に身を震わせながら鳴り続けていた。

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊少年ジャンプ
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今週見た映画☆

劇場版 ワンピース 『デッドエンドの冒険』

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『伊達学酔狂道』 其の伍話

-寺子テラオ-


〜前回までのあらすじ〜

1週間の刻を経てようやく寺子は劇場版ワンピース『STRONG WORLD』を観る事になるのであった。

寺子
「これは予感だが、来年は『鋼の錬金術師』が社会現象レベルの盛り上がりをみせるはずだ!」


寺子テラオの『伊達学酔狂道』 其の伍話

『人を使うに及んでは器のままにす』


「ちょいとあれ見な、エースが通る。」そんな囁き声が聞こえてきそうな地下鉄御堂筋線の電車の中だった。

対象の男は使用感まったくゼロのノーブランドのジャージに身を包み、耳に差し込んだイヤホンから聴こえるアニメ幽遊白書の第5期のエンディングテーマ『デイドリームジェネレーション』のリズムに身を委ねながら、まもなく訪れる決戦へのささやかな緊張感を噛みしめているところであった。

男の名は『寺子☆テラオ』少し北風が冷たいが良く晴れたこの日は、彼の所属するフットサルチーム『アーリーストリーム』の今年最後の試合の日だったのだ。

決戦の地である万博記念公園のフットサル練習場には、フットサルの為なら家族の命すら惜しまないような蹴豪たちが続々と集い、あるものは雄叫びを上げ、あるものはキックオフが待ちきれず他チームと小競り合いを起こしたりなどしていた。

アーリーストリームの前に今日の対戦相手『ゴールドライオンズ』が立ちふさがる。

敵兵A
「てめえら最弱の区域イーストオオサカ(東大阪)のチームだな?こんなところに何のようだ?」

寺子
「確かにイーストオオサカから来たがそれがどうした?最弱とは言いようだ。イーストオオサカは平和の象徴だ。てめえらがグランドオオサカ(難波あたり)でのさばってるくらいで調子にのるんじゃないぜ。」

敵兵A
「こいつ!この場で切り刻んでやろうか!」

志木
「まぁ待て。お前じゃかなわねえからよ。」

敵兵A
「し・・志木さん!俺じゃかなわねえってどういう意味で!?」

志木
「まったく・・威勢がいいやつがいると思ったら寺子じゃねえか?こいつは昔さんざん俺のチームに勧誘してやったのに、ことごとく断りの返事をだしてきやがってよぉ。どうだ寺子?もう一度誘ってやるよ、俺のチームに今この場で入りな、俺とお前が組めばフットサル界は俺たちが支配したも同然になるぜ?」

寺子
「あいにくだが俺は支配に興味が無いんでね。」

志木
「あぁ!それは今この場で殺してくれっていう意味だよなぁ!?」

寺子
「てめえら全員ぶっ潰すって意味だよ!」

審判
「試合を開始します!ピピー!」

志木
「野郎ども!やっちまえ!」

アナウンサー
「さぁて、ついに始まりました!アーリーストリーム対ゴールドライオンズ!勝利の女神はどちらに微笑むのか!」

寺子
「みんな!フォーメーションαだ!」

仲間A
「寺子さん!パスです!ぐわぁ!」

アナウンサー
「ゴールドライオンズ(以下GL)の選手による武器攻撃でアーリーストリーム(以下AS)の仲間Aが再起不能!!しかし審判は気付いてないのでプレイは続行です!」

仲間B
「仲間Aがやられた!仲間Dも!こっちの全滅は時間の問題だ!」

寺子
「みんな落ち着いて!練習を思い出だすんだ!俺は前の練習はバンドの忘年会があったから休んだけど、みんなはきちんと練習したはずだ!」

仲間A〜J
「おお!」

アナウンサー
「おっと〜!AS善戦!劣勢ながらもゴールを死守し続けています!いまだ0対0!残り時間もあとわずかだ!」

寺子
「はぁはぁ・・息が苦しい・・両足が攣(つ)りそうだ・・試合なんかどうでもよくなってきた、仲間K交代してくれ・・」

アナウンサー
「寺子がついにフィールドを降りた〜!日頃の運動不足が顕著に現れた〜!」

寺子
「みんな!日頃から適度な運動を心がけようぜ!」


翌日寺子の身に筋肉痛は訪れなかった。
もちろん翌々日にやってくるのかもしれないが。
フットサルのあと、ジャージ姿のまま難波まで劇場版ワンピースを観に行った寺子であった。

続く・・

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今週読んだ漫画☆

週刊少年ジャンプ
週刊ヤングマガジン
週刊ビッグコミックスピリッツ
週刊モーニング
週刊チャンピオン
週刊ヤングジャンプ
二ノ宮知子 『のだめカンタービレ』 22〜23巻


今週見た映画☆

劇場版 ワンピース 『STRONG WORLD』

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